映像制作インフラにおける自動テスト環境の課題
Challenges of automatic test environment in film production infrastructure
(株式会社ポリゴン・ピクチュアズ / スタジオフォンズ)
(Polygon Pictures Inc. / Studio Phones)
本資料は会合参加のTD/TAさん向けを想定して記載しています。今後の会合の状況を見つつ加筆修正を含めブラッシュアップを進めていく予定です。
■概要
■Overview
オンプレミス及び商用クラウド複合しての映像制作インフラ構築運用では、オンプレミスのみで運用する場合のテストに比べ、自動化されたテスト環境構築が大切となってきます。
普段、オンプレミスのレンダリング処理でも、レンダーファームのなかで、計算処理に詰まってしまいずっと同じフレームを計算した状態になったままになることがたまに見受けられると思います。レンダリングだけでなく映像制作で扱う様々なバッチ処理、計算をクラウド内で分散処理する時代に入りつつありますが、そこで実行するいろいろな処理でこれらの状況が発生していくことになります。
商用クラウドは課金型で稼働するため、単純なミスやエラーで生じた処理も課金対象となります。またインフラをスケールさせるとそのミスやエラーもスケールするのが課題になってきます。
オンプレミスでの運営に比べ、一斉に多くのインスタンスの台数を増やして稼働させることの多いクラウド環境では、短時間にインスタンスを大量に利用する関係上、このミスやエラーが大きなコストとして加算されます。
これは一例となりますが、これらの状況を回避または低減させる必要があり、クラウド環境に合った自動テスト環境構築は映像制作の広範囲で行う必要があります。
もう一つ例をあげたいと思います。商用クラウドに対して複数のスタジオからアクセスし連携するオンプレミスのスタジオ拠点がいくつか存在したとします。商用クラウド越しに各スタジオのモニタキャリブレーションを自動化するとして、その自動化をクラウド上の仕組みを用いて構成するとします。その仕組みが常に正しく動作するとは限りません。
ネットワーク経由で動作し、各スタジオの各端末の環境の違いを全て吸収し動作させるのは非常に難しくなります。
そのような環境下で自動化が正しく動作できていない場合、非常に大きなミスが発生する可能性が出てきます。単純に自動化、最適化といっても、何をどのように自動化するのか、最適化するのか、そこで用いた手法かどうなっているか、その手法やツールで扱えないケースは存在しないか、
といった点について、制作に関係する全てのスタジオおよびクライアントなどへのケアも行っていくことが必要になります。
なかなか難しい点でもありますが、複数のスタジオ間でミスやエラーを回避できるような環境を構築するには、自動化の工夫も重要になってくると思います。
また、各スタジオからのアクセス時の対話をスムーズなままに保つなどのUI/UX面でのテスト自動化も必要になってきます。アーティストの待機時間を軽減する工夫は、特に海外スタジオでは進んでいることと言われていますが、動画配信サービスなど高負荷な通信下でのカスタマー向けの体感性向上のための自動化と似た工夫を、映像制作パイプラインのテスト自動化でも考えていくこととなります。
https://medium.com/netflix-techblog/https-medium-com-netflix-techblog-simone-a-distributed-simulation-service-b2c85131ca1b
例えば、Netflix社のSimonをイメージするとアイデアを練っていき易いかもしれません。
自動化とは、単に処理をひとまとめにしただけでは実用性が低いものもあります。また同時に、連携する各スタジオなどとその自動化によるチェック体制を話し合うことで、効果を高めることができます。
また、いわゆるインフラ業務の代行サービスなどの外部サービスに頼りずらくなる側面もでてくるかもしれません。かかったコストの妥当性の検証や説明のためにも、利害関係のない社内スタッフなどがシステム管理者として構築していく必要が出ていくと思います。
会合中は、アイデア段階の様々なサービスをどのように安定動作させ、その工夫をどのように行ったかを連携している各スタジオに伝えていくかも議論したいと思います。
under construction...
※会合までに資料の内容を更新する可能性があります。
※There is a possibility to update the contents of materials by the meeting.