意思決定のアルゴリズムと承認システム
Decision algorithm and approval system
(株式会社ポリゴン・ピクチュアズ / スタジオフォンズ)
(Polygon Pictures Inc. / Studio Phones)
今後の会合の状況を見つつ加筆修正を含めブラッシュアップを進めていく予定です。
■概要
■Overview
「サーバサイドのプロシージャルモデリング」を考えていくひとつの背景として今思い当たる考えをモデレーターでまとめています。
プロダクションパイプラインは基本的に、レビューと承認を基本として各工程での成果の品質を維持しています。多くの場合、投稿(submit)、レビュー、承認というプロセスを経ますが、ちょうどこれらは研究者が論文を投稿するようなプロセスと近いものと考えられます。
しかしながら、アーティスティックな側面での判断が多いこれらの承認プロセスでは、アートディレクションやコンテンツディレクションなどの側面での意思決定が行われるため、判断基準がまだまだ感性によって大きく変化する可能性を残しています。パイプライン上で用いる各種計算のアルゴリズムの決定という側面でさえ、単なる計算速度や計算資源の使用時のコストだけでは判断し辛く、制作する作品にとってそのコンテンツディレクションやアートディレクションの意味で有効なアルゴリズムと思われる場合は、適したアルゴリズムとしてそれらが採用されていきます。
一方で、多数のアーティストの参加する映像制作のプロセスという側面により、ジュニアアーティストやシニアアーティストなどの違いだけでなく、スーパーバイザーや様々な意思決定時の裁量権が異なるスタッフが制作に参加していくことになります。そのため、コンテンツディレクションやアートディレクションの段階での判断をこの制作時のプロセス全てで適切に反映していくことが求められ、近年ではパイプライン上で必要な工程まで戻ることで再度生産プロセスを稼働させていくといった、複数のアーティストの工程間の上でのリテイクが生じていくことになります。
わたしたちは今回、会合のトピックとして「サーバサイドのプロシージャルモデリング」をあげていますが、プロシージャル化の目的としての各種プロセスの記録と再実行面でのメリットを、モデリングだけではなく広くパイプライン上での全てのオペレーションに関してどのように展開していくか、そのディスカッションへの叩き台としてこの「サーバサイドのプロシージャルモデリング」というトピックを選択しています。
意思決定そのものがアルゴリズムと言える段階にはまだまだ遠いのが現状ですが、機械学習や深層学習などの適用領域として今後はこの承認システム全体の見直しが必要になっていくこと、制作上の全てのオペレーションを対象に、進捗管理を含めた承認システム込みのワークフローを、サーバサイドへのシステム統合を通して考えていくこと、これらは会合中ディスカッションして行きたいとモデレータは考えています。
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