映像制作パイプラインとシステムのデザイン
Film production pipeline and system design
(株式会社ポリゴン・ピクチュアズ / スタジオフォンズ)
(Polygon Pictures Inc. / Studio Phones)
本資料は会合参加のアーティストさん向けを想定して記載しています。今後の会合の状況を見つつ加筆修正を含めブラッシュアップを進めていく予定です。
■概要
■Overview
多人数で同時にアセットを制作し更新する、その際、どのアセットがいつ、誰が、どこで、どのように、何を行ったかを記録する、時期を経て個々のアセットがどういう過程で生まれたか追跡する、といったことがパイプライン上で求められます。
その際、どの作業にどの程度の時間がかかり、どの程度の性能のcpuがどの程度の時間稼働したかなど、そこで掛かったコストが適正かもチェックしなければなりません。
映像制作のパイプラインでは、集団ゆえの作業ゆえにこれらの仕組みが完備され、各スタジオの文化や事情に合わせて細かく設定されていくことが多いです。
それらは単にスタジオ内での作業の把握だけでなく、連携するスタジオとの互いのコストの比較、クライアントや保険会社などへのレポート、潜在的なクライアントからのアセスメント時のレポートなど、スタジオに付随する情報の提示としてスタジオの性能を示す指標にもなり得ます。
そのため、多くの仕組みは人為的な仕組みを避け、システムとして性能を示せるような仕組みをビジネスである以上必要として来ます。
これらの機能を実現するには、インフラ設計の時点で全員が基本アクセス可能な共有領域の設定などが行われます。
単に共有と言っても各種ファイルシステムの長短を理解し選択し、扱うアセットの単一最大ファイルサイズを想定することでアクセス時の負荷などを見積もりつつ設計が進みます。
この時点で、制作に用いる各DCC側のUIの設計なども大まかに確定し、ユーザビリティ含めて、スタジオ全体の業務として性能を発揮出来るよう細かくシステムの設計や設定案が詰められて行きます。
ここで重要なのは、あくまでもスタジオに所属のアーティストの各種スキル、アウトソースする場合はそこに所属のアーティストや技術担当の方の保有ノウハウ、そういったものを基準にに設計されていくということです。
システム設計者やパイプラインの設計者に求められことの一面として、なぜその設計を選択したかを、アーティストや技術担当の方に説明していく能力も求められて行きます。
システム設計者の押し付けで案が確定した場合は、結果的にスタジオとしての性能は向上しないことも多いです。それ故に個々のスタジオの文化に合うシステム設計者であるほど良いとも言えるかもしれません。
設計時には、同様の機能を実現し得る様々な実現手段の中から、制作に関わる人材のスキルとの関係でトレードオフのポイントが見定められ、最終設計となるシステム設計が決まって行きます。
実際には、これらの過程を経てスタジオ内でのインフラはある程度固定された形で運営を始めますが、運営するにつれ、アーティスト側やディレクターなどの関係するスタッフの声を反映する形で多くの改善が行われます。TA/TDの主な業務であるパイプラインツールの改善がここで生じて来ます。
しかしここでは、パイプラインツールの改善で実現出来ない機能も多く見つかって来ます。つまり、インフラやシステムの段階で考えるべき課題が次第に見つかっていくということです。
システムやインフラの設計チームは、そこで今後のインフラの大幅改善などの指針を考えていくことになります。TA/TDがよりよくアーティストの声に耳を傾け、そこで得た課題をシステムやインフラの設計チームと話していく、そこで次期のシステム改善案を練りつつ制作を進めていくこととなります。
会合では、ここで必要になるシステムやインフラの設計者と、TA/TDなどパイプラインツールのデザインと実装を行う担当者、及び、テクニカルな側面を深く理解し新しい表現手段の構築を行うエフェクトアーティストなどのより良い対話に必要なシステムは?といった、様々な話題を議論したいと思います。
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※会合までに資料の内容を更新する可能性があります。
※There is a possibility to update the contents of materials by the meeting.