カタログ制作に関する意識の変化
Changing awareness of catalog production
(株式会社ポリゴン・ピクチュアズ)
(Polygon Pictures Inc.)
今後の会合の状況を見つつ加筆修正を含めブラッシュアップを進めていく予定です。
■概要
■Overview
アーティストが制作した形状データをカタログ化していくことは円滑なコミュニケーションを進めて行く上で重要な事柄であると思われます。そこでは、ちょうどECサイトで商品を選ぶ、まだ建設されていない建物のパースやCG予想図を描くなどといったこと同様に、その詳細を商品を検討していくための情報の提示と同様の伝達を必要としていきます。服のコーディネートを検討しつつ商品を選ぶように、映像制作でもアートディレクターがそのデザイン上の特徴を把握しつつ、各アーティストが制作したアセットを組み合わせていく、多くのECサイトや建築パースの捉え方と、多少の異なりを帯びつつも近しい部分がカタログ化に関する技術にはあると思います。
そのため、多くのECサイトや建築パースやプレゼンテーションのアプローチやそれを支えるシステムとしての考え方は、映像制作でのカタログ化に対しても参考になっていく事柄が多くあります。
この資料では、映像制作以外の様々な分野でのカタログ化を意識しつつも、その違いを明瞭にする方向で検討の必要な事柄に関してまとめていくことを進め、会合としての議題である「ワークフロー内での自由自在なアッセンブル」への支援としてのサーバーサイドサービスに関するディスカッションへの補助的資料としてまとめたいと思います。特には、制作におけるアートディレクション面やアセットのデザインを掴んだ上でのコーディネートの側面でまとめていきたいと思います。
大規模アセットとカタログ化
https://a-film-production-technique-seminar.com/fppat/materials/ppi_phones_assets_catalog/index.html
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■自動化としてのカタログ化
■Cataloging as automation
映像制作でのデザイン面での検討段階(プリプロ工程)での各種アセットのデザイン上のバリエーションは膨大です。そこではキャラクターのデザインに関する検討を始め、キャラクターの所持物としての衣服や家具、家屋などのデザインなど、そのキャラクターの内面や外面を考慮しつつ、映像制作上のストーリー展開上のキャラクターの気分やムードも考慮して、そのキャラクターに関するアセットの選定を行っていくこととなります。
ちょうどキャットウォークを歩くようにそれぞれのキャラクターが様々な衣服を着て歩くように映像化し、実際にキャラクターの家屋内で住んでいるかのようにキャラクターをアニメートさせつつ全体の感じを掴んでいく、そういった視点でのカタログ化もこれからの映像制作では求められていくように思われます。サーバーサイドサービスとしてのプロシージャル技術の推進の背景では、このようなユースケースが自動化の対象として重要になって来ているように思われます。
その背景では、膨大なアセットのカタログ化を行う以上、カタログ制作に対する制作コスト軽減という課題も無視出来ないものと思われます。そのため、カタログ生成のコストを抑えていくためのサーバーサイドサービスの設計や、閲覧コスト(サーバー上の画像の閲覧に関わる通信コスト)、デザイン面での特徴を正確に把握してアートディレクション上のポイントを把握していけるようなカタログ化方針の策定など、制作と開発の双方を意識したサービス設計が必要となります。
これらは、プリプロ段階での各アーティストの自由度の確保の意味でも重要で、アートディレクションを行う者の意思決定のためのサービスでもあり、プロシージャルアセット制作の方針改善を行っていく基盤としても重要となって行くと思われます。
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■デザインスタディに伴うアセットのアッセンブル
■Assemble assets for design studies
カタログ化技術に関して考えていくということは、当然ながら、複数のアセットを組み合わせての画像生成を自在に行える環境構築を行っていく傾向にあります。つまり、最近のアパレルのECサイトで様々なコーディネート上の模索や検討への支援的機能が発展していく傾向にあるように、映像制作においても、アートディレクションに関わるスタッフが様々なデザインの組み合わせを検討していくシステム作りが重要となっていくと考えられます。
その裏側で、いかにしてアセットのアッセンブルを行って、レンダリングまでに必要な前処理を行ってレンダリングを行い、生成した画像を的確にとりまとめて、様々な候補ごとに区分けしてカタログ化し、それらが同時に制作に関わる全てのスタッフが閲覧出来るようなウェブサイトとしてまとまっていくことが、自動化を考えていく上での重要なポイントのひとつとなります。
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■同一条件でのレンダリングによる画像生成
■Image generation by rendering under the same conditions
アセットごとに微妙な調整を行っての画像生成を行っていく場合、複数のアセットのデザインの比較や検討というのは非常に混乱を引き起こしていく傾向にあると思われます。そこで、同一条件にて、機械的に画像生成までを行う仕組み作りが必要となっていくことになるのですが、映像制作で扱うアセットの種別は様々で、全くの同一条件で全ての画像を生成するというのはかなりの困難を生じることとなります。
しかし一方で、一定の区分を経てのカタログ化の場合、各区分においてのカタログ化の際の画像生成を機械的に行うことは目指せる範囲の課題と言え、アートディレクション上、各アーティストのトライアルに応じた区分に対しての機械的な画像生成とカタログ化が行えていく場合は、制作に有効なサービスとして機能していく可能性が高いものとなります。
機械的に画像を生成することの意義は他にもいくつかあり、人の手で個別のアセットにレンダリングの設定をしていくことのぶれを防止すること、設定上出てしまう誇張が入るリスクを軽減していくことなどが挙げられます。強いて言えば、自分の制作したアセットはどうしても見栄えよく見せたいものが心情としてあると思われるのですが、大勢のアーティストが制作したアセットのそれぞれが、そのように見栄え良く画像として提出されることを防ぎ、アートディレクションを行う方々が迅速に意思決定を行っていける環境作りが重要と考えられております。そのため、各種アセットの画像生成に関わる設定を考えていくことは、デザイン上のアプローチを考えていくことと同様に重要で、制作の視点での開発的な側面としても、デザイン上の戦略決定としてのカタログ化技術が重要であることの背景となっていることと思われます。
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■アッセンブルの際に微調整を行いやすいアセットを考えていくこと
■Think of assets that are easy to fine-tune during assembly
平行作業としてのワークフローが確立されたスタジオであっても、一つ一つのショットの完成度を上げていく意味で、アッセンブルの段階での微調整へのトライアルというのは非常に重要であると思われます。その際、例えばレンダリングに関する様々設定をアッセンブル対象となるアセット全てを概観しつつ調整を行っていくため、アーカイブされた段階でのアセットに記録された設定は、再調整のしやすいものであることが重要になって来る傾向にあると言えます。
そこに加えて、ライトリグやレンダリング時の各種インテグレーターの再設定など、生成される画像にかなりの影響を持つアセットや調整などもそこで扱っていくため、その調整時の直感性を意識したユーザーインターフェイスのデザインも重要であり、調整された各種データをスタジオ内で瞬時に共有するためのシステム作りも重要となっていくことになります。
これらの取り扱いは、シリーズ化されたテレビシリーズや映画シリーズなど、長期で制作していく作品になっていくほど取り扱いの難度を高めていく傾向にあります。海外大型案件でのシリーズでの制作など、大規模な制作を行っていくためのシステム設計というのは、このような側面も考慮して今後はより高度なものとなっていくことと思われます。
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■まとめ
■Summary
この資料では、特にアートディレクション面でのカタログ化技術の諸問題を取り上げました。プロシージャル技術やサーバーサイドサービスの成熟により、これらの課題は改めて見えて来た運用上の課題とも言えるかと思われますが、虚飾の無いアセットのあり方や、再調整やメンテナンス性を考慮したアセット、アッセンブル時の各種トライアルのしやすさを念頭に、映像制作パイプライン全般の設計での今後の課題に関してまとめてみました。
会合では、これらの背景を念頭に、「社内でのトライアル環境やプリプロ工程での試行錯誤、及びプロダクション工程へのシームレスな連携とそれを支えるワークフロー」に関してじっくりディスカッションをしていきたいと思います。
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