制作環境の変化と重要性を持つ事柄の変化
Changes in the production environment and changes in matters of importance
(株式会社ポリゴン・ピクチュアズ / スタジオフォンズ)
(Polygon Pictures Inc. / Studio Phones)
本資料は、会合前の問題意識の共有を目的に書かれています。今後の会合の状況を見つつ加筆修正を含めブラッシュアップを進めていく予定です。
■概要
■Overview
ITインフラの発展により、柔軟な計算資源提供にともなう処理能力面での提供という観点での制作上の課題に関しては、近年大きな課題ではなくなって来ています。
制作ワークフロー上の各種自動化も、各スタジオで自社の特性を活かすように個別に発展しつつある段階で、ここ数年の制作上の効率性やスケーラビリティへの問題意識から、各社の文化をどう育てていくかなど、スタジオのより良い成熟を模索する多くの事柄に、シフトし始めている気がしています。
この資料では、これらの変遷でのリアルタイム処理を活かしたい事柄とバッチ処理を割り当てたい事柄のより良い振り分けを模索すべく、事前に簡単な範囲での考察をここでまとめておきたいと思います。
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■最近の制作面での変化から
■From the recent production changes
バッチ処理として扱えるレンダリングやプリプロ時の各種プロシージャーといった処理の多くは、レンダーファームやより一般にスタジオで制作に用いる計算クラスターへのジョブを投げた後は、基本的には一定の時間を経て結果が得られる、そういった流れになります。個々の処理に計算時間がかかると問題がある場合も、計算クラスターとして用いるマシンの台数の増設や、マシンのスペックそのものを向上させたり、処理する際の計算アルゴリズムの高速化を考えることになるとはいえ、一秒を争うような計算という種別のものではない側面があります。
一方、アーティストに瞬時に結果を返すことを目的とする処理の多くは、リアルタイム処理での計算対象として一秒を争う計算という種別のものと考えられ、それはアーティストが待機時間少なく効果的に作業をおこなっていける環境を考えていく意味で、とても重要なものと考えられます。
多くのスタジオでは、自動化処理の多くはバッチ処理の形式で取り扱いながら最近の変革を進めている現状があり、リアルタイム処理に流す各種ジョブの種別とどうリアルタイム処理で扱う処理を切り替えていくかなど、見直しを進めつつ制作自体の効率化を進めているのが最近の傾向ではないかと思われます。
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■普及時期から成熟期へ入りつつある各種自動化
■Various automation that is entering maturity from popularization time
人手のかかるタスクの多くを自動化する、この流れもかなり各スタジオで普及の段階に入って来たように思われます。一方、アーティストの制作面での試行錯誤を円滑に進める意味でのリアルタイム処理の模索は激しさを増しつつある段階と思え、今回の会合でもそのような側面に関して会合時に参加者内で話し合いたいとモデレーター達は考えております。
アーティストが既に慣れたアートワーク上の環境に、どのように自動化された処理を組み込んで行くのか、自動化が普及しすぎた結果、アーティストのスキル自体は伸び悩むことも懸念にあるなかでも、自動化に伴い様々な角度から客観的考察を経て成果物である映像をより良くしていくことと出来るのか、など、自動化そのものの性能や効率性以上に、アートワークにうまくそれらを取り入れていくこと、そういったことを考えていく意味での成熟期に我々は入りつつあるようにモデレーター達は考えております。
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■旧来のアートワークの見直しや、古典的作品を支えた制作過程の学び直し
■Revisiting traditional artwork and learning the production process supporting classical works
アイデアの多くは、現在通用する技術の習熟だけでなく、過去の技術やテクニックの掘り下げも経て、成熟度を帯び実現へと進めていくことが制作上の多くの過程で求められます。常に様々なアートワーク上のテクニックに関する学習の機会構築などもスタジオの課題となって来るわけですが、スタジオ内でのリアルタイム処理を考えていくことになる工程に付随して、それらのアイデアや、過去から蓄積された技術やテクニックへの迅速なアクセスなどもスタジオとしては考えていくことになるでしょう。
また、スタジオの中でも、過去の制作でのアイデアの蓄積やそれらに関する学び直しの機会をスタッフ向けに展開することも今後増えて行くと思われます。クライアントありきの請負型制作の場合はライツ管理なども徹底して行うことが求められる傾向にありますが、それらの垣根をうまく理解し、スタジオ内でのアイデアのアーカイブへの迅速なアクセスやリアルタイム性の高い検索システムの整備なども、今後は必要になっていくと思われます。
そのような制作に付随した環境構築を進めていく際には、スタッフが集まり、過去の技術やテクニックに関する勉強の機会や議論し学ぶ機会なども考えていく必要があり、そこで様々な意見が交わされ成熟していくほどに、スタジオとしての特性あるテクニックやアイデアが生まれていくことも十分に検討していけるものと思われます。
関連資料ページの共通資料欄には、これらのアートワーク面の見直しや技術面の課題などを随時特集していっております。
https://a-film-production-technique-seminar.com/crafts/crafts_materials.html
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■会合に向けて
■Towards the seminar
会合中に、リアルタイム処理とバッチ処理へのディスカッションを進めていくにあたって、複数のスタッフが関わる制作である以上は、アイデアの貯蓄先となるプリプロサーバーのデザイン面でのアイデアを練りながら、個々のアーティストの独自のトライアルを支えられる環境案を模索していくこととなります。
会合中は、こういった側面での今後の各スタジオ内での展開や、他社と連携しての展開案なども含め、各スタジオの問題意識をざっくばらんに話し合えればと考えております。
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