アートディレクションとそこで必要になる対話
Art direction and dialogue that is needed there
(株式会社ポリゴン・ピクチュアズ / スタジオフォンズ)
(Polygon Pictures Inc. / Studio Phones)
このページは過去の会合の振り返りつつ加筆修正を含めブラッシュアップを進めていく予定です。
2020年から猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響や、度重なる緊急事態宣言での対応に追われ、本資料の公開が遅れましたこと、参加頂いた皆様に深くお詫び申し上げます。
■概要
■Overview
多人数で制作を進めて行く映像制作のような分野の場合、アートディレクションは映像の多岐で制作に参加するアーティストの個性でもって制作が発展する以上、チームとしての度重なるディスカッションが非常に重要となって参ります。この資料では、過去会合で話題になったこのような観点により、現状整理を兼ねてスタジオとしての課題に関してまとめて参りたいと思います。
モデレーターの二社の方向性に強く傾いた文章となってしまっておりますが、多少でも参考になればと思います。
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■アートディレクションとディレクション面でのボキャブラリー
■Vocabulary in art direction and direction
映像制作を支える映像制作パイプラインやそれを支えるサーバーサイドサービスでは、アートディレクションを進めていく最中の様々なディスカッションを記録し、参照し、アイデアを展開していくこと全てを支えていく重要なパートと考えられています。
しかし一方、近年のプロシージャル推進や高度化していく映像表現上の技術を踏まえてディスカッションの場を構築して行くには、単にシステムとしての機能拡充を考えていくだけではなく、アートディレクションをディスカッションして行くためのボキャブラリー面での充実も重要となって来ております。そこでは、より正確にアーティスト同士が自身の意図を伝えて行くということに加え、今アイデアをしたためている段階の、うまく言葉になっていかないそのようなアイデアの方が段階を、少しでも明瞭に伝えていく、それを支えるシステムやスタジオ内でのチームワーク面での改善が課題となって来ているとモデレーター達は考えております。
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■現状のアート面でのスタッフの対話の様子
■A state of dialogue between the staff on the current art side
共有ストレージ内に配備された様々な資料に各部署のアーティストがアクセスしつつ現状を把握して行き、そこで絵を描いたり、言葉にしてみて伝えようとしたりと、そのようなやりとりは日常的な映像制作の光景ではないかと思われます。そのコミュニケーションの様子は逐一記録されて、制作後からでも当時のアイデアを追随していけるようにしていく、そのことで次回の制作や別シリーズでの制作に役立てて行く、そういったサーバーサイドサービスはここ最近の映像制作スタジオでは定着しているように思われます。
©桑原太矩・講談社/空挺ドラゴンズ製作委員会
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■プロシージャル推進で期待出来る事柄
■What can be expected from procedural promotion
制作が大規模になっていく傾向にあるここ最近の映像制作分野の場合、社内スタッフやアウトソース先への指示は次第に細かく高度化して行く傾向にあると言えます。そのなかで、ある程度その指示の内容を満たしたデータを関係するスタッフへ受け渡して行く意味でも、プロシージャル技術ないしは、システマディックに形状生成やマテリアル生成を行うことは、重要性を高めていっていると言えるでしょう。
アウトソーシングの効率化とプロシージャル
https://a-film-production-technique-seminar.com/crafts/materials/ppi_outsourcing_efficiency_procedural/index.html
しかしながら、プロシージャル推進で説明時にそのアルゴリズムの細やかな説明をどのようにアーティスト側に直感的なかたちで伝えていくか、用いる技術の適用先をイメージしていけるように、どのようにアーティスト側に技術的詳細を展開していけるのか、など、プロシージャル技術への深い理解を育むことなしにはアート面での自由も利かないという、トレードオフのポイントの見定めが難しくなるような課題も、近年は次第に増えていくようにも思われます。
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■アート面での新たなボキャブラリーの模索と獲得
■Exploring and acquiring a new art vocabulary
スタジオとして個性を豊かにして行こうとすればするほど、そのスタジオでしか発展しないようなアート面でのトライアルも盛んになり、アート面での新たなボキャブラリーの模索と獲得が、非常に重要になっていくとモデレーター達は考えております。そこでは、研究開発面での発展もリアルタイムに把握しつつ次なるアート面でのトライアルを決めて行くといった、プリプロ工程と研究開発面のより良い連携が自然と重要になって行くとも考えられ、アート面で新しいトライアルを行いつつ、そこで出た新たな表現手法や概念を、迅速に現行稼働中のプロジェクトに投入していけるような、柔軟かつ自由度を確保したサービスインフラが重要であると思われます。
これらは、今かたちになっていないものを常に扱い続ける難しさを孕んでいます。うまく伝えようとして伝えられない、伝えようとしたがためにアイデアを無理に何かの型にはめてしまう、など、そういった難しさもそこにはあると思われます。
そのため、普段の何気ない会話を通して、それぞれのスタッフが、お互いの感覚やアートスキル面での背景に関してディスカッションしつつ理解を深め合う、そのような事柄がスタジオとしては重要となっていくのではないかとモデレーター達は考えております。つまり、うまく伝えようとしても伝わらない部分を、そのアイデアを損なわないように想像していく、そのために必要なお互いのセンスへの想像力を養っていくような、そのような視点での改善を、現代の映像制作パイプラインでは必要になり始めているように思われます。
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■まとめ
■Summary
感覚的にしか捉えておらず、それをうまく言葉や絵にしてスタッフ同士で話し合っていきたい、それを支えるシステムやスタジオ内での連携性のあり方が、今まさに見直しを必要としていく時期に入って来たのではないかとモデレーター達は考えており、この資料では、それらに関する現状理解を、システム面での課題としてまとめてみました。
この資料では、具体的な対策やアクションプランまでは記載出来ておりませんが、システム面での今後の改革案を練っていく意味において、多少でも参考になればと考えております。
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