プロダクションの技術とマネジメント
Production Technology and Production Management
(株式会社ポリゴン・ピクチュアズ / スタジオフォンズ)
(Polygon Pictures Inc. / Studio Phones)
本資料は別会合での記録となります。今回の「クラフツマンシップとアーティストのテクニック20190202」に役立てる意味で、会合後にディスカッションされた内容をふまえ、課題を整理し会合を振り返るかたちで記載しています。
■概要
■Overview
今回の会合では、会合中の多くの課題が円滑な制作とそれらを支える環境作りとしてのパイプライン構築やワークフローの内容が多くありましたが、クラウドインフラを効果的に使いつつある段階で、どちらかと言えばアーティストのテクニックに焦点を当てた内容が多かったように思われました。しかし一方、ドメスティックに展開する映像制作からグローバルでワールドワイドな視野での制作を進めていくにあたって、海外大型案件を意識した展開がますます我々の制作インフラの設計においても重要な視点をもたらすのではないかと思われました。
この資料では、会合の事後資料として、モデレーター達で会合を振り替えりつつ感じた、プロダクションに関する技術とプロダクションマネジメントに関する話題を書いて行きたいと思います。
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■インフラ方面の技術とプロダクション上の技術
■Infrastructure technology and production technology
インフラ面での激しい発展を続けていくNetflix社のTech blogはモデレーター達も参考にしており、そこでも掲載されている「Prodicle」などのProdcution Technologyに関する資料も公開されている情報の範囲ながら常日頃から参考にさせて頂いております。
これらの資料では、グローバルな展開での映像制作というものをとても鋭く掴んだ上で文章がまとめられている印象で、映像制作パイプラインのデザインを現代的に考え直していく上でも、指標となる資料が多いように思われます。
しかし一方で、他業界との技術や知見流入も依然として重要度は失わないように思われますし、建築などで扱うBIM (Building Information Modeling)やゲーム分野でのゲームエンジンや制作や開発のワークフローなども検討しつつ、今後の展開を考えていくことが大切に思われますし、広く「プロダクション」という意味合いで業界に依存せずモデレーター達はその制作技術やプリプロ的な工程を支える技術を意識的に見ていくようにしております。
各分野のシステムやサービスのドキュメントというのは非常に多くの事柄を語っており、ヘルプやマニュアルの構成などを見るだけでもそのユースケースや大切にされている事柄などを学べるものと考えております。また、例えばバイクのデザインなどの製造系での同様の仕事の進め方やそれらを支えていくインフラ設計や工程管理も非常に参考になっており、広く「ものを作る」意味では、そのどれもがITインフラを支える抽象度の高い技術上で展開されていることが多いため、技術や知見の融和が今まで以上に進んでいるうように思われます。
Prodicle - Netflix社のProduction技術に関する記事
https://medium.com/netflix-techblog/netflixs-production-technology-voltron-ab0e091d232d
・Prodicleのヘルプなど
https://help.prodicle.com/hc/en-us
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■各種サービスとサービスプロシージャーなど
■Various services and service procedures etc.
自動化を効果的に進める上で、モジュラー型での機能構築や、プロシージャー型の自動化設定はやはり鍵になっていく方向性なのではないかと思います。最近ではプログラムやスクリプトでサーバー内サービスを自動構築したり自動運用したりする事例も増えて来ているように思われますし、この一連のセミナーシリーズでもそのような事例は普通に出てきています。
開発の主たる環境としてサーバーサイドでのサービス構築が激増している事柄を考えれば、個々のスタッフの対話を翻訳する意味での旧来のテクニカルアーティスト的な作業を自動化されたスタッフ間での連携性を模索する方向にも向かうでしょうし、それは膨大な人員での制作になるほど、まず登場して来るであろうと思われるアプローチではないかと思われます。
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■アートワーク特有の話題
■Artwork specific topic
大規模制作に近づくほどに、どのアーティストでも一定の品質を担保出来るといった、そのような安定した品質を保証するための制作上の品質向上をスタジオとして目指さざるを得ない側面があります。勿論、あるアーティストにしか出せない表現や質感というのも大事ですし、各アーティストがトライアルして行く上での環境作りもスタジオでは大事ですが、人材育成やスタッフ全体のスキルアップを目的として、社内研修やスタッフのスキル活性化のための取り組みは様々なスタジオで取り組んでいることと思います。
ユースケースごとにマニュアルなどを丁寧に制作していく、これはスタジオ内でのプロダクション上のマネジメントとして重要ですが、その一側面として、スタジオ内のアーティストの平均的スキルの向上などの側面があると思われます。
スタジオとしてのプロダクション上の技術というのは、何も映像を生み出す作業そのものに対して考えていくものではない、と、そのような考えが普及して長く経過していると思われますが、遠隔地間での制作になればなるほど、働き方の自由度をスタジオ内で達成しようとすればするほど、このような観点での取り組みは更に重要な課題となっていくように思われます。
これらの傾向は、アニメ方面の制作になるほど、そこで働くアーティストの個性を生かす上で重要になって行くでしょうし、ブラシなどのツール構築と配布体制などと絡めて、制作環境を広く見直していくことを視野に入れて行きたいと思います。
アーティスト重視のスタジオの面白さ
https://a-film-production-technique-seminar.com/fppat/materials/ppi_phones_studio_focused_artists/index.html
アートワークの自由度を支えるためのサーバーサイドサービスのデザイン
https://a-film-production-technique-seminar.com/fppat/materials/ppi_phones_support_variance_artwork/index.html
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■まとめ
■Conclusion
サービスプロシージャーを考えていくだけでも、制作上の他のプロシージャーとの兼ね合いを考えていくことになるでしょうし、インフラ及び遠隔地間での管理体制含め制作上のドキュメントの構築と運営が重要になっていくのではないかとモデレーター達は考えております。
今回の会合では、各社がプロダクション上の技術やマネジメント上のノウハウを披露しつつ、スタジオ同士の課題の共有やドキュメント整備の重要性を、今まで以上に痛感する機会になったのではないかと思われます。制作上はサポート体制の構築及び、緊急時の対応マニュアルの構築など、様々なものを考えつつスタジオのパイプラインやインフラの設計は進むことが通例で、今回は広くセルルックや背景美術に関して、多くのスタジオで問題意識の共有が出来たのではないかとモデレーター達は考えております。
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